移住者の声

一人ではなく、家族でつくる暮らし

田上さん

  • 上天草で3人の子育て中
  • イタリアワイン大使
  • リゾートホテルのレストランマネジャー

イタリアへの憧れを胸に抱いて

ソムリエ兼レストランマネジャー
レストラン「Festa del mare」

風光明媚な天空に浮かぶ豪華客船をイメージしたそこは、天草きってのリゾートホテルだ。

「天空の船」が誇る絶景レストラン「Festa del mare」で出迎えてくれた田上さんは、同ホテルのソムリエ兼レストランマネジャーを務めている。

生まれも育ちも熊本だが、大学卒業後に九州各地のホテルやレストランでの修行を経て、2018年秋に上天草市に移住した。

「上天草の前は9年ほど福岡に住んでいました。子どもが3人いるのですが、いつかは熊本に帰って仕事がしたいと思っていました。ちなみに、妻も熊本の出身です」。

2013年に誕生した「天空の船」は、オープン当初から注目していたホテルだったそうで、縁があって入社となった。

「当時、天草にこんなリゾートホテルができるなんてと驚いたものです。私はイタリア駐日大使公認の “イタリアワイン大使”でもあるんですが、ここは創作イタリアンとセレクトワインを提供するレストランなので、これまでのキャリアや、好きなことをとことんいかせる環境に満足しています。昔からイタリアの文化や風土には惹かれるものがあり、温暖な気候と豊富な海の幸が魅力の天草にはイタリアに近いものを感じています」。

天草の島々とまぶしい海を航海する夢の客船のような空間で、陽の光に照らされた田上さんの表情は、一層輝いてみえた。

都会の喧騒をはなれ地方で子育て

レストランから見える景色
喧騒をはなれ地方で子育て

上天草での暮らしは3年目に突入。田上さんご家族は利便性のよい場所に住んでおり、熊本空港や熊本駅までのアクセスも決して悪くない。

「実際に住んでみると、ほどよく“田舎”で、本当に暮らしやすい。まわりの方が思っているより、全然不便ではないんですよ(笑)」。

お子さんはそれぞれ小・中・高校生。3人とも地元の学校に通っている。2番目のお子さんはちょうど中学入学のタイミングだったが、上のお子さんと下のお子さんは福岡からの転校となった。

新しい環境が、わが子にどんな影響を与えるのか。多感な時期での引っ越しに苦労した点はなかったか尋ねると、意外な答えがかえってきた。

「今思えば、都会の学校よりも田舎の学校のほうが肌にあっていたように思います。最初は少し緊張したり、ナーバスになることもあったようですが、優しい友だちが暖かく迎え入れてくれて、今では何年もここに暮らしているみたいです」。

自然に囲まれた暮らしが“感性”を育てる

3人の子どもと共に
豊かな自然に囲まれた日々

とはいえ、子育て中の親にとっては移住における教育への不安は尽きもの。

たとえばその点で、学校も転校生に対して暖かく迎え入れてくれて、すぐに不安を払拭できたと話をしてくれた。

田上さんの言葉を借りると、「上天草の先生方は、しっかりと子どもや保護者の話に、親身になって耳を傾けて下さって安心できた」のだという。

「学校に求めるものが何かで変わってくるとは思うのですが、もちろん都会の方が進学の点など“選択肢”は多いかもしれない。ですが、自然豊かな環境で子どもをのびのび育てたいという考えを大事にされるなら、上天草は本当におすすめ。ここの子どもたちはあいさつもきちんとするし生徒同士は皆が顔見知り。地域の方もみんなで子どもを見守り、育ててくれるコミュニティの濃さを感じられます。毎日の食事も地元産の新鮮な食材が多く家族皆が感動しています。それはやはり、都会とはまったく違う点に思えます」。

豊かな自然に囲まれた日々の暮らしと、地域との関わりや、人間力などの“生きる力”をはぐくむ教育に触れて−。3人の子どもたちはいま、伸びやかに育っている。

田上さん

福岡県から2018年秋に上天草市に移住。

  • 移住時の年代:40代
  • 家族構成:5人家族(夫婦、子ども3人)
  • 移住スタイル:Iターン
  • 職業:「天空の船」レストランマネジャー、ソムリエ

※ インタビューの内容は2020年12月の取材時のものです
※ 協力:上天草市セカンドライフ支援ネットワーク